北欧の旅【9月14日/ストックホルム】

ストックホルム到着

 

朝、船室で目を覚ますと、窓の外は大雨でびっくり。船は島々のすぐ近くを進んでいて、天気が悪くても美しい景色です。島はどれも森がいっぱいで、その中に小さくかわいらしい家が建ち、その家の前には桟橋があって自家用と思しき船が停まっています。どういう人たちが、こんなにうらやましい生活をしているのでしょうか。

 

ちなみに、ここはもうスウェーデン。北欧3か国めに突入しました。

 

ビュッフェ形式の朝食は7時から。その時間に合わせてレストランに行ってみると、まだ入り口は閉まっていて、食事がとれそうな雰囲気が微塵もありません。どうやら、眠っている間に船の中がフィンランド時間からスウェーデン時間に切り替わったようです。つまり、まだ6時だったということですね。

 

時計を時差調整し、あらためて7時にレストランへ。今度は大丈夫でした。

 

食事からほどなくして、到着間近のアナウンスが流れると、人々がバタバタと動き始めました。そんな流れに逆らって、あえてデッキへ。そして、到着の瞬間を外で迎えます。

雨は上がっていましたが、空はちょっと曇りぎみ。そんな天気を差し引いたとしても、港のまわりに広がっているのはちょっと地味な景色でした。

客船用というよりも、コンテナ船や工業用の船が主に使うところらしく、実は街の中心からもけっこう離れています。街までは地下鉄で行くことになるのですが、この駅も少々離れていて、港から10分ほど歩かなければなりません。

 

GÄRDETという駅に着きました。地図の右上のほうにある赤丸が現在地。ここから街の中心(指で示しているあたり)をめざします。

地下鉄に乗り込みます!

乗車券は、船の中で72時間乗り放題のものを購入済み。地下鉄とバスを乗り倒す気まんまんです。

 

3つめの駅、T-Centralenに到着。いわゆる中央駅です。宿泊先のホテルは、ここからでも歩けそうだということで、とりあえず下車。しかし、どこをどういったらよいのかわからず、改札のすぐ前にあったインフォメーションで道をたずねました。すると、地下鉄の別路線に乗り換えて、ひとつ先の駅まで行ったほうがよいとのこと。あらら、乗り直しです。

 

スウェーデンに着いていきなり乗った地下鉄は、なかなか手強い相手でした。初心者には、案内表示がわかりにくいんです。行き先の地名を掲げられても、それがどこに位置するのか理解できないため、自分が乗るべき路線なのかどうか判断できません。結局、駅の中をうろうろきょろきょろすることになってしまいました。

 

外国の駅名・地名というのは、思った以上にわかりにくいものだと実感しました。冷静に考えてみれば、日本の地名も難しいですよね。「Yoyogiuehara」と「Yoyogikoen」なんて実に紛らわしい。だからこそ、東京の地下鉄は路線ごとに色分けするだけでなく、各駅に番号も振っているのですよね。正しい方向性だと思います。

 

さて、無事に最寄駅に着き、少し歩くと、滞在先であるリカ・ホテル・クングスガタンを発見。まだチェックイン開始前につき、荷物を預けて街に出てみます。いつの間にか空も晴れわたり、日差しがまぶしいほどになっていました。今回の旅行、天候に関してはかなりの大当たりを引き続けています。

 

ヒュートリエットからセルゲイ広場へ

 

ホテル脇の広場は“ヒュートリエット”といい、地下鉄の駅名にもなっています。石畳の広場にたくさんの出店が並び、活気を感じさせる空間です。キノコが旬のようで、どの店でもイチオシでした。

この広場に面したデパートに入ってみると、地下のフロアが何やら楽しそうな雰囲気。こちらも食品売り場で、屋内マーケットのようです。

 

食材は、とにかく豊富。肉、魚介、野菜、なんでもあります。

 

まずは、カニ!

ザリガニ! 秋の味覚の代表らしいです。

子供の頃、アメリカザリガニは遊び相手でしたが、食べたことはありません。

魚も、いろいろな種類が売られています。

ただ売っているだけではありません。ほとんどの店が、ちょっとしたカウンターを設けて、食事を提供しています。いわゆるイートインですね。

 

中には、本格的なお店もありました。そのうちの一軒で昼食をいただくことにします。

魚介のスープを頼んでみました。大きめのボウルに豪快に盛ってくれたスープは、ふたりで食べるのにちょうどいい量。味もまた素晴らしく、魚と貝が織りなす濃厚なダシの旨みを堪能しました。

 

昼食が済んだら、街の中心であるというセルゲル広場方面に向かいます。

広場には、何かイベントでもあるのか、若い女性がたくさん集まっていました。週末ということもあり、若者に限らず、たくさんの人々が街に出ているという印象です。

 

そして旧市街へ

 

セルゲル広場から、歩行者専用の通りを歩いて、旧市街“ガムラ・スタン”へと向かってみます。人の流れも、なんとなくそちらへ向いている感じです。

橋を渡ると、歴史を感じさせるエリアに突入。ここが“ガムラ・スタン”です。

王宮や大聖堂など、さまざまな建築物が密集しています。当然ながら、古いものが多いわけですが、ある程度はバリアフリー対策が施されているようです。どこを見ることができるか、どう進めばいいか、きちんと明示されているのはありがたいですね。

一部拡大。

石造りの重厚な門が連なっています。

王宮があるのもこのエリア。外観だけ見学しました。

そして、王宮の裏側から見渡すと、イベント会場らしき光景が。

シリヤラインのインフォメーションで、港から市街への交通についてたずねた際に、「今日はマラソン大会があるから、バスよりも地下鉄がいいですよ」と言われたことを思い出しました。これがそうか!

 

すでに終わったのか、これから走るのか、今ひとつよくわかりませんが、ゼッケンを着けた人やスタッフらしき人が動きまわっています。そんな様子をミニチュア風撮影。

“ガムラ・スタン”は小さな島でもあるので、王宮のすぐそばにも海があります。ここでちょっと休憩。ついでに、ふたりで撮影しようと三脚をセットしていると、「撮ってあげるよ」とおじさんが声をかけてくれました。自転車に乗ったグループの一人で、ドイツから観光に来ているとのこと。

「日本から来たのか。だったらカガワを知っているだろう! 彼はうちの街でも有名なんだ」。

サッカー日本代表の香川選手が所属していたドルトムントの人たちでした。

 

他の都市もそうですが、ここストックホルムも観光用のレンタル自転車がすごく普及しています。日本でも横浜あたりが導入していますが、もっと広まってほしいですね。

 

ちなみにこちらは、港にあった王様の像。土台の階段で皆さんくつろいでいました。

旧市街だけあって、いい感じの路地がいたるところにあります。

日本人にもおなじみの、あのノーベル博物館があるのもこのエリアです。古い証券取引所を使ったという立派な建物は、正面入口に階段が……。無理して中に入らなくてもいいかと思っていると、係員が出てきて、「車いす用の入口は裏にありますよ」と教えてくれました。

せっかく教えてもらったので、入ってみます。ちょうど、平和賞に関する特別展示が行なわれているところでした。それに合わせて、館内のカフェでもこんなケーキが用意されていました。実にわかりやすいシャレです。

このカフェは、そなえつけの椅子の座面裏にノーベル賞受賞者がサインをすることで有名です。自分が座った椅子を確かめてみると、確かにありました(どなたのものか不明ですが)。また、天井からも一脚、吊るされています。これは誰のサインなのでしょうか。

展示フロアでは、特別講演が始まりました。講師を務めるのは、1998年に平和賞を受賞したジョディ・ウィリアムズさん。地雷廃絶運動の推進に尽力した平和活動家だそうです(不勉強で存じ上げませんでした)。

もちろん講演は英語。おのれの語学力の低さを嘆くばかりです。しかし、その熱い語り口はとても印象的でした。そして、途中から拝見したもので、なぜ靴を脱いでいるのかがとても気になりました。

 

なお、別の講演になりますが、日本語訳付きの動画がありました。英語の勉強にもなりますね。

 

TED RUNDOM ジョディ・ウィリアムズ: 世界平和の現実的なビジョン

 

さて、ノーベル博物館の前は、広場になっています。その昔、物騒な事件があった場所だそうですが、今はまったく平和そのもので、噴水を囲むベンチや周囲のカフェで人々がのんびりと過ごしていました。

石畳が美しいです。でも、車いすユーザーにとっては厳しいバリアなんですよね。

 

スウェーデン王家との邂逅

 

さて、“ガムラ・スタン”をたっぷり見物して、ホテルに戻ると、隣にあるヒュートリエットの広場に人がたくさん集まっています。すでに屋台は撤収済みで、人々の注目を集めているのは、青い建物。メディアも警察も集まっています。

 

青い建物はストックホルム・コンサートハウスで、どうやら王の即位40周年を祝うコンサートが行なわれている模様。そしてつい先ほど、王とご家族が会場に入っていったところだったということが、あとからテレビのニュースで判明しました。

これはコンサート開幕中の様子。バリケードこそありますが、警備は信じられないほどゆるゆるです。これもお国柄なのでしょうか。

 

察するに、スウェーデンの王室は非常に親しみやすい存在のようです。ちょうど即位40周年にあたったため、テレビでも王室関連の映像が数多く流されていましたが、日本の皇室と比べると国民との距離感が明らかに近い気がしました。驚いたのは、独占取材のインタビュアーの女性が、王の目の前で足を組んで質問していたこと。そして、にこやかに応える王。なんとも象徴的なシーンを見た思いです。

 

余談ですが、スウェーデン王室といえば、“究極の逆玉の輿”として話題になった王女の結婚を思い出します。王女のお相手は、なんとトレーニングジムのトレーナー。体育大出身のダニエルさんが、今やプリンスとして王室の一員になっているのだそうです。

この日の夕食は、スウェーデンらしくミートボール。IKEAでもおなじみですね。

堀切 功(ほりきり・いさお)

 

1965年生まれ。雑誌編集の経験を活かして、写真撮影や出版編集を仕事にしています。

 

詳しくは[プロフィール]をご参照ください。

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