「退院」 モンド闘病記【6/24~6/25】

24日朝、病院に電話。「連れて帰ってもよい」とのことで、すぐにバッグ持参で向かう。

 

ヒゲ先生から説明あり。

 

・今後は、家で薬を飲ませながらの生活になる。薬は次の3種。

・脳圧を下げる液状の薬(朝夕)。

・ステロイド他の錠剤(朝夕)。

・胃を保護する薬(朝夕の食事1時間前)。

 

これらの薬で、脳の炎症を抑え、体への影響を防いでいく。ただし、何度も書いているとおり、完治は望めない。残念ながら、腫瘍はモンドの頭の中で成長してしまう。

散歩は、適度にさせてよいとのこと。それならばと、どうしても先生に確認したかったことを聞いてみた。

 

「車で遠出をしても大丈夫でしょうか」。

 

具体的には?と聞かれ、行き先は軽井沢だと答えた。軽井沢にはクニコの実家があり、私たちが長く留守にする際にモンドの面倒を見てくれていた義母と、いつもかわいがってくれる弟夫婦がいる。だから、もしも叶うものであれば、連れて行って会わせてあげたい。こんなお願いに対し、ヒゲ先生は少し間を置いて、こう答えた。

 

「行ってもいいですよ。逆に、行くなら今しかないと思います」。

 

そうか、今しかないのか。いきなり厳しい現実を突き付けられてしまった。

でも、たしかにそのとおりかもしれない。よし、モンドが元気なうちに行かねば。

 

帰宅後、夕方になるのを待って近所を散歩してみる。互いに相性が悪く、会うと吠え合いになるパピヨンと遭遇するが、モンドは無視。やはり本調子ではないようだ。さらに、大便は下痢。おそらくステロイドが負担になっているのだろう。

 

夜、帰宅したクニコと再会。きちんと出迎えができたのは、えらい。

 

夜はいつも、移動用のバッグに入って寝るモンド。別々の部屋では心配なので、私たちのベッドの脇にそのバッグを置く。急に具合が悪くならないか不安で、夜中に何度も様子を見てしまったが、大丈夫だった。

 

翌25日の朝、モンドはあまり元気がない。散歩にも行ってみたが、足取りに力がない感じ。ただし、下痢は治まった。

 

夕方、注文していた食事療法用ゴハンをとりに病院へ行くことに。「モンドも行くか?」と誘ってみた次の瞬間、彼の中で何かのスイッチが入った!

 

もう、無茶苦茶な大はしゃぎ。そんなに興奮したら体に良くないよ、とこちらが困ってしまうレベルの喜び方だ。もともと外出は大好きな犬だが、そのことがきっかけでこんなにも元気になるとは思いもしなかった。

 

せっかく元気になったので、病院の途中、少し散歩をする。ちょっとだけ歩くつもりが、ついつい足を延ばして公園をぐるりとまわってしまった。それでもまるで疲れを見せないモンド。まるで病気など幻だったかのようではないか。

 

療養食も好評で、たくさん食べてくれた。本当に元気だ。ただし、深夜になって、寝ているモンドの呼吸が荒くなり始めた。やっぱり普通の状態ではないんだ、とあらためて実感させられてしまう。残念ながら、病気は幻ではないらしい。

堀切 功(ほりきり・いさお)

 

1965年生まれ。雑誌編集の経験を活かして、写真撮影や出版編集を仕事にしています。

 

詳しくは[プロフィール]をご参照ください。

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