「面会」 モンド闘病記【6/23】

23日朝、モンドに会いに病院へと向かう。もしかしたら元気になっていて、連れて帰れるかもしれないと、バッグもしっかり持った。

 

休診日だというのに、病院ではたくさんのスタッフが働いていた。今日の担当は、女性の先生。

「すごく元気になりましたよ。朝になったら自分で立ち上がっていて、ビックリしたんです」。

どうやら薬が効いてくれたらしい。本当に良かった。

診察室の奥に案内され、モンドが入っているケージの前へ。先生が扉を開けると、モンドは私の腕に飛び込んできた。すごい! 見違えるようだ。右腕(右前肢)の包帯がちょっと痛々しいが、それ以外は倒れる前と変わらない。

 

ゴハンも食べた。ペースト状の高栄養食をガッツリと。もともと食事に関してはあまり執着がなく、出されたものを食べ切ることなどほとんどないモンドが、器まできれいになめたではないか。さてはこのゴハン、よほどおいしいのか? あまりに嬉しいので、携帯電話で写真を撮っておく。

 

もう一日入院させて様子を診るそうだが、これだけ元気になれば、今週中には家に帰れるのではないかとのこと。すばらしい!

 

しがみついたまま離れたがらないモンドを先生に渡して、とりあえず面会終了。明日の朝、病院に電話をすることになった。退院できるかどうかは、その段階でわかるはずだ。

 

帰り際、退院後に備えてゴハンの取り寄せもお願いした。クニコが会社の同僚から教えてもらったのだが、ドッグフードの大手メーカーから、がん・腫瘍の犬のための食事療法食が販売されている。「がん細胞への栄養供給を抑えながら犬の体に必要なエネルギーを供給」(メーカー公式サイトより)するという触れ込みだ。どの程度の効果が望めるのかわからないものの、腫瘍との戦いに突入する以上、これを試さない手はない。

 

それにしても、ホッとした。ぐったりと動けないモンドを見るのは、あまりに辛かった。もちろん頭の中には依然として腫瘍が居座っているわけだが、自力で立てて、ゴハンが食べられるようになっただけでもありがたい。心配しているクニコにも、良い報告ができてよかった。

 

夜には、ひさしぶりのビール。モンドが倒れてからというもの、ずっと控えていたのだが、ようやく飲んでもいいような気分になれた。ひとまず乾杯!

 

ところが、深夜に突然、家の固定電話が鳴り響いた。二人とも悲鳴を上げて飛び起きたが、非通知のその電話はすぐに切れた。間違いなのかいたずらなのか、とにかくふざけるな! 心臓がドクンドクンいって、しばらく収まらなかったではないか。

 

よりにもよって、うちの電話の着信メロディは「大きな古時計」ときている。縁起でもないので変えようかと、ちょっと本気で考えた。

堀切 功(ほりきり・いさお)

 

1965年生まれ。雑誌編集の経験を活かして、写真撮影や出版編集を仕事にしています。

 

詳しくは[プロフィール]をご参照ください。

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